『ヴィーナスの誕生』


   
2010年12月8日 (水曜日)
 
 
『ヴィーナスの誕生』
 
 
ブローニュの森
 
 


 

Birth of Aphrodite by Alexandre Cabanel
(painted in 1863)
オリジナルの絵はビキニを身に着けてません。

「ロブソンさん、なんだかとてもまぶしい絵を貼り付けましたね」

「すばらしいと思いませんか?ジューンさんはどんな印象を持ちますか?」

「そうですね。 なんだかハッとさせられるような絵ですね」

「この絵は今から140年以上も前に描かれたんですよ。ごく最近描かれたと言っても十分に通用するでしょうね」

「私は絵のことはあまり分かりませんけれど、キューピッドを描く人は最近ではあまりいないのではないですか?私は、キューピッドが宙に浮いているのを見てイタリアのルネッサンスの頃に描かれたのではないかと思ったくらいです」

「ほォ~~~、ジューンさん、絵のことには詳しくないと言いながら、けっこう知ってますね。僕より詳しいのじゃないですか?」

「いえ、それ以上のことは知りません。でも、140年前に描かれたということはちょっと信じがたいですね」

「どうして?」

「1863年に上の絵は描かれたんでしょう?ということはアメリカでは南北戦争の真っ最中ですよ」

「このアレクサンダー・カバネルはフランス人ですよ。だから戦争とは縁がなかったんですよ」

「私が驚くのは、こんなヌードがよく問題にならなかったと思って。。。当時、アメリカやカナダでなら展示禁止になったかもしれませんよね?」

「恐らくジューンさんも、そう言うだろうなと思ってこの絵を貼り付けたんですよ」

「パリだから問題にならなかったのですか?」

「そうではないですよ。パリだから問題にならなかったんじゃなくて、この絵の中の裸の女がアフロディテだから問題にならなかったんですよ。もし、この絵の女がパリのカフェのウエイトレスだったら、大問題になったはずですよ」

「どうしてですか?」

「僕が前のページで言ったように、『オディッセイ』を調べているうちに、この大叙事詩が欧米人の原点のような気がしてきたんですよ。つまり、現代欧米文明は古代ギリシャ文明、古代ローマ文明から営々と続いていると考えている人が多いんだよね。だから、上の絵が描かれた当時、フランスやイギリスの大学では、古代ギリシャや古代ローマの古典をとにかく飽きるほど勉強させられた。そういうわけで、『オディッセイ』を暗記するほど勉強する人も珍しくなかった。つまり、ギリシャの古典やローマの古典は必須科目だったわけですよ。 だから、上の絵の女がアフロディテだから問題にならなかったんです」


『ラピスラズリと美女アメニア』より
(2005年7月9日)

デンマンさん。。。タイトルは「ブローニュの森」ですやろう?

そうやァ。

それなのに、どうして海に横たわっているアフロディテを持ち出してきやはったん?

あのなァ~、わてが初めて上の Birth of Aphrodite を見た時には、ビリッと感電したような衝撃を受けたのやがなァ。

その事と「ブローニュの森」が関係があるのォ~?

あるねん。。。だから、回りくどくなるけれど、ちょっと聞いてやァ。 このカバネルという画家は、パリのサロンではチョ~有名な人物だったのやァ。
 

アレクサンドル・カバネル

Alexandre Cabanel

(1823年9月28日 – 1889年1月23日)

フランスの画家。
カバネルはエロー県モンペリエに生まれた。
アカデミックなスタイルで、歴史、古典、宗教をテーマに絵を描いた。
肖像画家としても有名だった。
フランス皇帝ナポレオン3世のお気に入りの画家だった。

カバネルは17歳でエコール・デ・ボザールに入学した。
François-Édouard Picot(en:François-Édouard Picot)について学び、1844年、サロンに最初の出展を果たす。
1845年にはローマ賞を受賞。22歳だった。
1863年にはフランス学士院のメンバーとなり、同年、エコール・デ・ボザールの教授に就任した。
また、1865年、1867年、1878年と、Grande Médaille d’Honneur(最高名誉賞)を勝ち取った。
このように、カバネルはパリ・サロンと密接な関係を持っていた。

彼は定期的にサロンの審査員に選ばれていた。
サロンの教え子も何百人といる。
その教え子たちのおかげで、カバネルは、同世代の、ベル・エポック・フランス絵画の特徴を持つ他の画家たちより多くのことを為し得た。

カバネルとウィリアム・アドルフ・ブグローが印象派画家エドゥアール・マネなどの絵のサロンでの展示を拒否したことが、1863年の落選展の騒動を招いた。

成功したアカデミック画家として、カバネルが1863年に描いた『ヴィーナスの誕生』は、19世紀のアカデミック絵画で最もよく知られている絵である。
この絵はナポレオン3世が購入した。
1875年に銀行家ジョン・ウルフのために描いたその複製画は、1893年にウルフが寄贈して、現在ニューヨークのメトロポリタン美術館にある。

出典:
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『ヴィーナスの誕生』は、あの有名なナポレオン3世が買ったのやでぇ~。

でも、その事と「ブローニュの森」が関係あるのォ~?

めれちゃん。。。そないに先を急ぐものではないでぇ~。 まず、わての話をじっくりと聞いてぇ~なァ。

分かりましたわ。。。でも、なるべく手短に話して欲しいねん。

あのなァ~、上の『ヴィーナスの誕生』は 1863年に描かれたのやァ。 しかも、驚いたことにオリジナルの絵はビキニを着けておらんのや。

それで、あんさんはビリッと感電したような衝撃を受けたん?

いや。。。全裸の女性を見たから ビリッと感電したわけではないねん。 1863年に上のような全裸の女性が海の上に横たわっているという絵を描いたことが衝撃的だったのや。

どうして、あんさんは 1853年に、こだわりはるのォ~?

あのなァ~。。。1863年は日本では、文久3年のことやがなァ。 明治維新まであと5年。 この1863年には、次のような事件が起こっていたのやァ。

1月16日 勝海舟、山内容堂と面会し、坂本龍馬の土佐藩帰藩を願い出る

2月8日 松平容保(会津藩主)、京都町奉行に任じられる

2月27日 京都市の壬生村に壬生組組織され、近藤勇・土方歳三・芹沢鴨・清川八郎等250余名は、これより京都市中の警備に当る(後に新撰組と改称する)

3月15日 高杉晋作、頭を丸めて名を東行と改める

5月10日 攘夷決行(馬関戦争火蓋を切る)

5月12日 井上聞多(馨)、伊藤俊輔(博文)等、密かに横浜を出帆、英国へ密航に成功

5月16日 坂本龍馬、勝海舟の命にて越前へ赴き、松平春嶽を説き、兵庫の海軍所建設資金5千両を出さしむ

5月20日 姉小路公知暗殺される

6月6日 高杉晋作、長州に歩兵隊編成

7月2日 薩英戦争(イギリス艦隊鹿児島湾を砲撃)

9月20日 京都の新撰組隊長芹沢鴨の暗殺により近藤勇代って隊長となる

9月23日 伊藤俊輔(博文)、井上聞多(馨)の両人、密航して英京ロンドンに安着

11月21日 大阪の大火(新町橋東詰より発火、148ヶ村1万4580余戸焼失)

日本では血なまぐさい事件があちこちで起きていたのや。 それに引き換え、パリではカバネルが『ヴィーナスの誕生』を描いて、それをナポレオン3世が買った。 なんとも平和で、心に余裕があると言うか、文化の花が咲いていると言うか。。。同じ地球上にありながら、まったく時代も違うし、文化も違っているような。。。隔世(かくせい)の感をわては持ったわけやがなァ。

『ヴィーナスの誕生』を見ながら、あんさんは、そないなしょうもないことを考えはったん?

しょうもない事ではあらへん。。。知的な思考にふけってしもうたのやァ。。。うしししし。。。

それで、どうしたん?

あのなァ~、わては小百合さんと、パリのアンヴァリッド(廃兵院)の近くにあるレストラン「ル・プティ・ニソワ (Le Petit Niçois)」へ行ったのやァ。

でも、それは夢の中でのことですやろう?

そうなのや。。。うへへへへへ。。。小百合さんとブイヤベースを食べたのや。

食べてる時に、わてのフランス人の友人がテーブルにやって来て、アコーディオンで『パリの空の下』を演奏してくれたのやでぇ~。。。

どうせ、夢の中のことですやろう?

いや。。。、わては実際に、その演奏を聴いたことがあるねん。。。めれちゃんも聴いてみたいやろう?

そないな事を言うたかて聴けるわけがないやん。

それが聴けるのやァ。。。めれちゃんのためにリンクを貼っておくから時間があるときに聴いてみてなァ。

『小百合さんとロマンチックに食事をしている間

デンマンのフランス人の友人が、

テーブルのそばで『パリの空の下』を

アコーディオンで演奏します』

デンマンさん!。。。余計な事はいいから、肝心(かんじん)なことを話して欲しいねん。

『パリの空の下』を聴きながら、小百合さんとブイヤベースを食べたのや。 そいでなァ、まだ外は明るかったのでタクシーでブローニュの森へ行ったのや。

何しに。。。?

もちろん食後の散歩のために行ったのやがなァ。

ロマンチックな気分に浸りながら、小百合さんとブローニュの森をそぞろ歩いていると、やがて小百合さんが指差したのや。

小百合さんは何を見つけはったん?

蚊帳の中で女の人が眠っているのやがな。

また、あんさんがコラージュして、でっち上げた写真ですやろう?

めれちゃん。。。よう分かるな?! うししししし。。。

あんさんのする事ぐらいお見通しですわ。

でもなァ~、ブローニュの森の中で蚊帳をつって、その中で昼寝をしていた家族をわては見たことがあるねん。

マジで。。。?

そうなのやァ。。。いつか、この事で記事を書こうと思うていたのや。

つまり、ブローニュの森の中で蚊帳をつって、その中で昼寝をしていた家族が夢の中に現れはったん?

いや、夢ではないねん。 わてが実際に経験したことなのやァ。 

つまり、その事を言うために、こうして長いこと無駄話をしてきたん?

やだなあああァ~。。。ちゃうねん。。。そないな事ぐらいで記事を書くかいなァ。

そやから、あんさんは何が言いたいねん?

あのなァ、わては、もしかすると、夢の中で見たのかな?。。。そう思うことも何度かあったのやァ。 しかし、驚いたことに、ブローニュの森の中で蚊帳をつって、こともあろうに、その中で夫婦が愛し合う映画をわては実際にDVDを借りてきて見たのやがなァ。

マジで。。。?

それは次のようなストーリーなのやァ。

『幸福(しあわせ)』

叔父の経営する内装業の店で職人をしているフランソワは妻テレーズと二人の子供と平凡で実直な生活を送っている。
洋裁が上手なテレーズは仕立ての内職もしていて、ウェディング・ドレスの注文などもある。
フランソワは仕事が終わればまっすぐに家に帰るし、料理も上手な妻と可愛い盛りの子供たちに囲まれて、休日には家族四人で森にピクニックに行くこともある。

そんなある日、フランソワは近くの町まで仕事で出かけた。
電話をかける用事を思い立ち郵便局へ立ち寄った。

受付の娘と二言三言、言葉を交したが、彼はなぜか彼女に好意を感じた。 二度目にあったとき、二人でお茶をのんだ。

娘はエミリーといい、彼と同じ町に転勤が決り、部屋も見つけたことを話した。 もう二人は愛を感じるようになっていた。

エミリーは彼に家庭があることも知っていたが二人は不自然さも罪悪感もなく、結ばれてしまう。
というのも、彼は昔と全く同じように妻も子供たちも愛しており、愛する女性が二人できても、それは幸福以外のなにものでもないからだ。

ある休日、フランソワ一家はピクニックにでかけた。
そこで彼は妻にすべてを告白した。
テレーズは少し考えてから「あなたが幸せなら私はそれでもいいと思うわ」そう答えた。
彼は喜んだ。
純粋によろこんだ。
子供たちは野原で遊んでいる。
蚊帳の中に居るのは二人きり。
大人しいテレーズは、かつて見せたことのない大胆さで夫を求めた。

快い疲労に眠ったフランソワが子供たちの声で目を覚ましたとき妻のテレーズの姿はなかった。
池に溺死体となった妻を発見して、フランソワは悲しんだ。

まわりの人々は不幸な事故で愛妻を失なったフランソワに同情を寄せた。
エミリーも心からテレーズの死を悲しんでくれた。
日がたつにつれ、彼は昔どおりの働き者にもどった。
エミリーが子供たちの面倒をみてくれ、いつの間にかそれが習慣になった。
家事をする女性がエミリーにかわったというだけで、きわめて平穏な日々を送るようになっていた。

こういう筋なのやァ。
   

つまり、身勝手な男の不倫物語なのね。

めれちゃんは、そないに思うのかァ~?

それ以外に考えようがあらへん。 どの国でも、男は身勝手なものですねん。

わては、まったく違う感想を持ったのや。

どのような。。。?

この映画が作られたのは、なんと 1964年のことなのやァ。 今から 46年前やでぇ~。。。驚いたなァ~。。。

それ程ビックリしやはったん?

カバネルが描いた『ヴィーナスの誕生』を初めて見た時のような衝撃を受けたわ。

つまり、『幸福(しあわせ)』という映画は、将来を見据えて作られたと。。。?

もし、日本で同じ内容の映画が作られたら、おそらくタイトルは『幸福(しあわせ)』ではのうて、めれちゃんが言うたように『男の身勝手』になるだろうと思うでぇ。 しかも、結末はハッピーエンドにはならずに、フランソワとエミリーは惨めな別れ方をして終わりになると、わては思うねん。

あんさんは、『幸福(しあわせ)』という映画の中に、マジで幸福(しあわせ)を感じやはったん?

いや。。。幸福(しあわせ)とは思わんかったけれど、最後にフランソワとエミリーが前向きに生きようとする姿に、わては救いを見たのやァ。

【レンゲの独り言】

ですってぇ~。。。
あたしはデンマンさんの感想とは違った意見を持っています。
事故であれ、自殺であれ、テレーズが溺死体で発見されたということは、映画のテーマとは別の不幸を見ないわけにはゆきません。
最後にフランソワとエミリーが前向きに生きようとする姿に、デンマンさんは救いを見たと、おっしゃいました。
フランソワとエミリーが、その後幸せな生活を送ったとしても、テレーズは犠牲になったとしか、あたしには思えないのです。
テレーズの犠牲について、デンマンさんは、どのように考えるのでしょうか?
お聞きしてみたいですわ。

ところで、あなたはどう思いますか?
反対意見でも、賛成意見でも、ぜひカキコしてくださいね。
お待ちしています。

とにかく、興味深い話題がさらに続くと思います。
あなたもどうか、またあさって読みに戻ってきてくださいね。
では、また。。。

メチャ面白い、

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こんにちはデンマンです。

ブローニュの森の中で蚊帳をつって、

その中で夫婦が昼間から愛し合う。

その発想は、日本人離れしていますよね。

日本人ならば、「見られたらみっともない!」

まず、そういう考えが先に頭に浮かぶので

日比谷公園で蚊帳をつって愛し合う人は

まず現れないと思うのですよう。

うしししし。。。

女性監督・アニエス・ヴァルダは、その発想の中に

カバネルが1863年に『ヴィーナスの誕生』を

描いたような「新鮮な悦び」を見い出したのではないか?

ヴァルダ監督はソルボンヌ大学で

写真を勉強したそうです。

フランソワと二人の女性のベッドシーンを、

顔や体のアップショットで繋いだ描写には

写真家の感性が見て取れました。

ところで、卑弥子さんが面白いお話を集めて

楽しいサイトを作りました。

次のリンクをクリックして

ぜひ覗いてみてくださいね。

■ 『あなたのための笑って幸せになれるサイト』

とにかく、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょう。

じゃあね。バーィ


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