真犯人はそこにいる
2016年2月21日 (土曜日)
真犯人はそこにいる
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闇に消えようとしている。
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5人の少女が姿を消したというのに、この国の司法は無実の男性を17年半も獄中に投じ、真犯人を野放しにしたのだ。
報道で疑念を呈した。
獄中に投じられた菅家利和(すがやとしかず)さん自身が、被害者家族が、解決を訴えた。
何人もの国会議員が問題を糺(ただ)した。
国家公安委員長が捜査すると言った。
(菅直人)総理大臣が指示した。
犯人のDNA型は何度でも鑑定すればよい。
時効の壁など打ち破れる。
そのことはすでに示した。
にもかかわらず、事件は闇に消えようとしている。
本来、シンプルな話のはずだった。
5人の少女達。
罪もない幼い命が17年の間に、半径10キロの地域で、殺されたり行方不明になったりする事件が起きたのだ。
それを黙認するというのか。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
314ページ 『殺人犯はそこにいる』
著者: 清水潔
2014年2月20日 初版第6刷発行
発行所: 株式会社新潮社
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ケイトー。。。 上の本の内容はマジなのォ~?
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マジです。。。 この本は小説ではなく、ノンフィクションですよ。
菅家さんという人は17年半も刑務所に入れられていたけれど、冤罪で釈放された人でしょう?
そうですよ。
足利事件とは、1990年5月に発生した殺人事件。
その後、誤認逮捕により冤罪被害事件となった。
また真犯人が検挙されていない未解決事件でもある。
1990年5月12日、日本、栃木県足利市にあるパチンコ店の駐車場から女児が行方不明になり、翌朝、近くの渡良瀬川の河川敷で遺体となって発見された。
容疑者として菅家 利和(すがや としかず)が逮捕、起訴され、実刑が確定して服役していたが、遺留物のDNA型が彼のものと一致しないことが2009年5月の再鑑定により判明し、彼が無実だったことが明らかとなった。
服役中だった菅家はただちに釈放され、その後の再審で無罪が確定した。
再審を日本弁護士連合会が支援していた。
当事件捜査に関する後年の調査報道などマスコミメディアがその事件捜査のあり方に注目し、調査報道の中で事件捜査初期に事件現場での真犯人目撃の情報を警察が把握していた事実や経緯も判明している。
当事件を含めて、足利市内を流れる渡良瀬川周辺で遺体が発見された3事件は「足利連続幼女誘拐殺人事件」とされている。
出典: 「足利事件」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
。。。で、真犯人はマジでわかってるのォ~?
分かっているのですよ。
2010年10月号「文藝春秋」に掲載された記事の冒頭はこうだ。
<初夏の風がそよぎ始めた渡良瀬川。
日没の時刻は過ぎたものの河川敷にはまだ十分な明るさが残っていた。
低く垂れ込める雲を背に、細身の男が歩いてくる。
どこかすばしっころうに見えるその男は、赤いスカートをはいた幼女と手をつないでいた。
雑草が茂る土手をゆっくりと下りると、今度は芝のグラウンドの上を大股で川の方に向かった。
女の子はお遊戯の“ちょうちょ”を舞うように、両手を広げながら男の前後を付いてゆく。
やがて二人は、流れの脇に横たわるコンクリートの護岸の上に、並んで立っていた。
翌朝、すぐ近くの中州で幼女は全裸の遺体となって発見される。
赤いスカートは川に捨てられていたが、かろうじてネコヤナギの枝にひっかかり漂っていた。
その中にくるまれた幼女の半袖シャツ。
それがすべての始まりだった。
現場から消えた男の風貌は、細身で漫画の「ルパン3世」にそっくりだった—>
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「ルパン」のメディア初登場である。
「菅家さん冤罪足利事件『私は真犯人を知っている』」という編集部から提案されたタイトルは相当に刺激的だった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
254-255ページ 『殺人犯はそこにいる』
著者: 清水潔
2014年2月20日 初版第6刷発行
発行所: 株式会社新潮社
あらっ。。。 この本の著者が真犯人を突き止めたのォ~?
そうですよ。
どうして警察に知らせなかったの?
知らせたのです。。。 警察よりも権威のある最高検察庁の幹部に直接会って真犯人の身元や経歴を伝えたのですよ。
「これはそのまま犯人だよ」
と言った
あの日、私(清水潔)と杉本敏也社会部長が向かったのは銀座のとある店だった。
高級そうな懐石料理の店は落ち着いた和風の造りで、丸い小石を敷き詰めた瀟洒な三和土(たたき)には相変わらず私の靴だけが不似合いだった。 (略)
少し遅れて到着したのは、背広が板に付いた立派な体格の人物だった。
最高検察庁の幹部。
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飛騨牛の料理などが運ばれる中、私と杉本部長は声を落としてこれまでの取材で判明したことを伝えた。
「ルパン」の目撃証言。
私がその男の存在に気が付いた経緯。
これまで見落とされていたファイルの存在。
その男の住所と氏名。
連続事件との関連性。
(中略)
「足利事件」の捜査過程で、「ルパン」の目撃証言があったことすら知らなかったその幹部は、驚きを隠せなかった。
私が持参した資料、地図、男の写真などの根拠を目にしてこう言ったのだ。
「これはそのまま犯人だよ」
「この男が誘拐し、女の子と手を繋いで河原を歩き、首を絞めて殺害したと考えた方が普通だ」といい、写真に目をやって、「こんな男がいたのか」と、深いため息をついた。
検察幹部は、どっしりとした低い声で、こう続けた。
「何とかしたい、2ヶ月だけ待ってくれないか」
「ルパン」について報道するのを待って欲しいと言ったのだ。
(中略)
それまでも、マスコミにも理解が深いという元警視庁の大物幹部や群馬県警の刑事など幾人かの捜査関係者と接触を持ったことは書いた。
皆、最初は熱心に聞いてくれたが、途中からは掌を返した。
しかし、この最高検幹部の感触は違った。
私はその日、検察幹部と固い握手をして別れた。
だが……。
その最高検幹部が豹変したのが6日後のことだったのだ。
(略) <DNA型が合わねえんだよ>という、まるで放り投げるような声。
本当にそれだけが理由だったのか。
私は納得できなかった。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
324-326ページ 『殺人犯はそこにいる』
著者: 清水潔
2014年2月20日 初版第6刷発行
発行所: 株式会社新潮社
つまり、最高検察庁の幹部は、一旦は「これはそのまま犯人だよ」と言ったのに、逮捕するのを渋ったわけなのねぇ~。。。
そういうことですよ。。。 間違いなく犯人だと言っておきながら、DNA型が合わねえんだよという理屈を持ち出してきた。
でも。。。、でも。。。、DNAが合わなかったら犯人じゃないということでしょう!?
ところが、それは検察の言い分で、著者の清水さんが専門家に依頼して調べた限りでは真犯人「ルパン」のDNA型と 殺された少女のシャツに付いていた精液のDNA型は一致していた。
じゃあ、「ルパン」が真犯人じゃない!
そうですよ。。。
それなのに、どういうわけで最高検の幹部はDNA型が合わねえんだよと言ったわけなのォ~?
それわねぇ~、最高検が真犯人が「ルパン」だということを認めてしまうと、DNA型判定で無実の人が死刑になった事件までが明るみに出てしまうからですよ。
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菅家さんの逮捕の決め手となった「自供」と「DNA型鑑定」の二つのうち、「自供」については問題点だらけ、菅家さん本人も完全に否定していて、証拠としての価値はすでに地に堕ちたと言って良いだろう。
そして「絶対」と言われていたDNA型鑑定も今回崩れた。
再審開始が決定されれば、十中十、菅家さんは無罪になる。
そう思っていたのだが、周辺取材を行っていくと、きなくさい動きが始まっていた。
科警研(科学警察研究所)がごねだしていたのである。
今回の再鑑定は、主に「STR法」と呼ばれる鑑定方法が使われていた。
「ショート・タンデム・リピート」の略称で、短い塩基配列の繰り返しを調べていくものだ。
ただし、一つの部位だけでなく、多くの部位を調べることでその精度をあげていく。
その新しい鑑定方法で真犯人と菅家さんの型が不一致だったということが今回わかったわけだ。
当然、1990年当時に科警研が行ったMCT118法は誤っていた、という結論だろうと普通の人なら思うだろう。
ところが、科警研はMCT118法鑑定を失敗と認めなかったのである。
「当時の鑑定はそこまで精度が高くなかった。 1000人に数人というような同じDNA型の集合体の中では、真犯人と菅家さんの型は一致していた。
今回精度が上がったSTR鑑定で細部を調べてみたら、真犯人と菅家さんが初めて分離できた」と弁明したいらしい。
言葉を換えれば、旧型の鑑定方法では同じグループでしたが、目の細かい新型でやってみたら違うグループであることがわかりました、「同型異人」であることがわかっただけで、旧型が間違っていたわけじゃありません、という理屈だ。
ならば、その旧型であるMCT118法でもやりなおしてみれば?と素人なら思うが、検察はそれを避けた。
実は、再鑑定前に東京高検が裁判所に提出した「DNA鑑定請求に対する検察官の意見」にはこうあった。
<MCT118部位のDNA型鑑定だけを行う鑑定は、無意味であるばかりか有害であるとすら言えるので実施することには反対である>
なぜそんなことにこだわるのか。
再鑑定をするなら<市販されている試薬を用いたSTR鑑定を行うのが相当である>とし、さらに、<123マーカーは既に使用されておらず、当時の鑑定手法は手作業によるものであって、電気泳動の時間、電気泳動を行うゲル板の条件など各条件設定が重要になるが、当時行われていた鑑定手法を再現するのは不可能である>とまで言い切っている。
要は、、MCT118法による検証を徹底的に拒んでいるのである。
確かに、長い塩基配列を調べるMCT118法の場合、劣化した古い試料ではDNAが途中で切断されている可能性もあり、鑑定自体が技術的に困難であるという。
それはそうかもしれない。
だが、弁護側推薦の本田克也教授はこの検証を実施していた。
(中略)
その本田教授の鑑定書が提出されるや科警研はどうしたか。
「意見書」で猛然と反撃を開始したのである。
「きなくさい動き」とはこれだ。
本田教授はこれまでに何度も警察や検察からの依頼を受けてDNA型鑑定を行い、裁判で証拠として採用されたこともある法医学者だ。
そんな本田教授に対して科警研は、DNA型の不一致を認めないどころか、鑑定そのものを全面的に否定したのである。
(中略)
これまでDNA型鑑定を依頼し、法廷での証人依頼までしてきた本田教授に、検察は<全体的に信用性に欠ける>と言い出したのである。
異常事態と言っていいだろう。
必死になるのも無理はないのかもしれない。
ここでMCT118法がひっくり返ってしまえば、これまで証拠採用された他の事件までがひっくり返る可能性が出てくるのだ。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
170-175ページ 『殺人犯はそこにいる』
著者: 清水潔
2014年2月20日 初版第6刷発行
発行所: 株式会社新潮社
。。。で、DNA型判定で無実の人が死刑になった事件というのが マジであったのォ~?
あったのですよ。。。 シルヴィーと2月11日に語り合った「飯塚事件」の久間三千年さんもその一人ですよ。
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久間三千年さんはマジで無実だったのォ~?
問題の多い事件だったのです。。。 でも、拷問まがいの取調べを受けても、久間さんは「足利事件」の菅家利和さんと異なり、初めから最後まで“自分はやってない。。。無実だ!”と言い続けた。。。 だからこそ、奥さんは死刑が執行された後でも「再審請求」を求めて闘っているのですよ。
あれっ。。。 現在でも頑張っているのォ~?
そうなのです。。。 ところが日本の司法は再審請求を棄却してしまった。
再審請求を認めたら無実の罪で久間さんを死刑にしてしまった事を世界に発信してしまう。。。
つまり、飯塚事件はすでに久間さんが死刑になっており、再審で無実が確定しても「取り返しがつかない」ので日本の司法は再審請求を却下した、とケイトーは考えるわけぇ~?
そうですよ。。。 「飯塚事件」を調べれば、関係者は「ヤバイことをしてしまった」と皆が後悔していることがすぐに読み取れるのですよ。
それなのに、日本では権力を握っている司法が ごねているわけなのォ~?
そういうことです。。。 日本国民は警察や検察の国民の人権を無視した自分勝手なやり方に、もっと怒りを感じるべきなんですよ。。。 死刑は国家権力の殺人に他ならない! 国家権力だからといって人殺しが許される理由はどこにもない! 死刑を行ってしまったら、その人の命は無実だとしても2度と戻ってはこないのだから。。。
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ですってぇ~。。。
あなたは どう思いますか?
久間さんは「足利事件」の菅家利和さんと異なり、初めから最後まで“自分はやってない。。。無実だ!”と言い続けたそうです。。。
でも、死刑にされてしまいました。
人殺しは誰であろうと たとえ国家権力であってもやってはいけないことだとは思いませんか?
死刑も、国家権力による人殺しなのです。
ところで、シルヴィーさんが登場する記事は たくさんあります。
興味があったら、ぜひ次の記事を読んでみてください。
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とにかく、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょう。
じゃあね。バーィ。
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ィ~ハァ~♪~!
メチャ面白い、
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