蜂に小便
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デンマンさん。。。 今日は蜂とおしっこのお話ですか?
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そうです。 興味がありませんか?
だってぇ~、「蜂に小便」ってぇ~、どう考えてもおシモのお話ですわ。
しかし、人間も動物も必ず小便をしますからね。 たとえシモい話でも健康維持のために小便をすることは欠かせないと思えば関心を持たなければならないと考えませんか? 小百合さんも「蜂に刺されたら小便をかけるといい」と聞いたことがあるでしょう?
確かに、言われてみれば、そのような事を子供の頃に聞いた覚えがありますわ。
小百合さんは蜂に刺されたことがありますか?
もちろんありますわ。
その時、おばあさんに小便をかけてもらいましたか?
まさかァ~。。。
あれっ。。。 小便をかけてもらわなかったのですか?
もちろん、そのような汚い真似はしませんでしたわ。
じゃあ、どうやって痛みを止めたのですか?
「痛いのォ、痛いのォ、飛んでゆけぇ~。。。」と言ってお呪(まじな)いをしましたわ。 うふふふふ。。。
。。。ん? お呪い? 。。。 いったいどのようなお呪いですか?
手の平に「蜂」と言う字を書いて、その字を飲み込むのですわ。
「蜂」の字をどうやって飲み込むのですか?
手の平に書いた文字を飲み込む真似をするのですわ。
ほおォ~。。。 栃木の田舎の方にはそのようなお呪いがあるのですか。。。 埼玉県の行田の辺りではもっぱら「蜂に小便」ですよ。
あらっ。。。 蜂に刺されたらマジでおしっこをかけるのですか?
小百合さんは知らなかったのですか?
もちろん、聞いたことはありますわ。。。 でも、マジでおしっこをかけるなんて見たことも、されたこともありませんわ。
あのねぇ~、実は「蜂に小便」というのは北関東だけの風習かと思っていたのですよ。 ところが、どうやら日本全国に「蜂に小便」という風習があるみたいなんですよう。
どうして、そのような事が分かったのですか?
あのねぇ~、夕べ、バンクーバー市立図書館で借りた本を読んでいたのですよ。
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上のリストの赤枠で囲んだ本ですか?
そうです。 そしたら次の箇所に出くわしたのですよ。
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Sちゃんとは家が近いせいもあって、学校に入る前から、良い遊び友達だった。
Sちゃんは長女でおとなしい素直な子だった。
それだけに泣き虫で、閉口させられることもしばしばであった。
私は末っ子のわんぱく坊主だったが、ふしぎと気が合って、いつも連れだって遊び歩いていた。
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一年生になって間もなくのころ、帰りはいつも一緒だった。
この日も新しいランドセルを自慢そうに背にして、小走りで学校を出た。
(中略)
田んぼの中を走り回った。
何匹かの蜂をたたき落としたが、大騒ぎした割には落とせなかった。
羽を痛めてもがいている蜂をつまみ上げながら「Sちゃん、こんなものちょっともおっかなくないんだに」。
そう言って自慢気に左手の甲をさすって見せた。 (略) 私はいきれて(調子にのって)「ここだって平気なんだに」と右の眉毛の上に蜂の尻を押しつけて見せた。
「痛い」
蜂の尻が額にふれるか、ふれないかの一瞬、目から火が出た。
次に熱いような痛さで、目がくらみそうになった。
両手でさされた所をおさえ、うなりながらしゃがみこんだ。
今度はレンゲの上に横になって両足をばたつかせた。
何をしても痛みはいっこうにひく様子がない。
なんとかしなければ……、 大変なことになってしまった。
Sちゃんはどうしていいかわからず、ただおろおろしていた。
「Sちゃん、小便出る?」
Sちゃんは意味がわからなく、へんな顔でのぞきこんでいる。
「小便出んのかな」
「出たくないけど、どうしてな」
「蜂に刺された時は、小便がいいんだって」
Sちゃんは、私以上に、この事態を大変に思っているようだった。
小便は出したくないが、なんとかしてあげなければ、そんな気持ちのようであった。
「上を向いて寝とるで、痛いとこに小便を掛けてくんな」
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「そんなことできんに」
さすが子ども心にも、きたない小便を友達の顔にかけるのだから、とまどうのも無理はない。
「早く脱いで、おれの顔をまたぐんな」
Sちゃんはしばらくためらっていたが、しぶしぶ体を動かしはじめた。
二言三言やりとりした後、仰向けに寝ていた顔の上に、大きな影が静かに降りてくるのを見届けた。
目はつぶれるほど固く閉じ、鼻の穴をちぢめた。
口も真一文字にむすんで息を殺した。
今か今かと待ったが、なかなかそそがれる気配がない。
息を止めているから、苦しくてかなわん。
「早く」と荒々しくさいそくした。
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Sちゃんにしても、この姿勢で簡単には小便をすることは大変なことだったろう。
もう一度何か言おうと口を開いた時、生あたたかいものが、両目のくぼみ、鼻の両脇、ほっぺたをつたわって、耳のほうに流れてくるのを感じた。
ずいぶん骨を折らしたが、かんじんのさされた所には、一滴もかからずじまいであった。
女の子では無理なことであったろう。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
40-44ページ 『一年生のとき戦争が始まった』
著者: 信州智里東国民学校昭和21年度卒同窓会
2005年3月30日 第1刷発行
発行所: 社団法人 農山漁村文化協会
あらっ。。。 長野県でも「蜂に小便」なのですわね。 うふふふふふ。。。
どうですか? 小百合さんがもしSちゃんだったら、男友達の顔の上に小便することができますか?
ちょと無理だと思いますわ。 うふふふふふ。。。
あのねぇ~、今年の秋に帰省したら蜂に刺されますので小百合さん、よろしくお願いしますね。
デンマンさん、いい加減にしてくださいな。 この事が言いたくてわざわざ上のエピソードを持ち出してきたのですか?
もちろん違いますよ。 あのねぇ~、この男の子は少年らしい好奇心でSちゃんがどのように小便をするのか? その様子を見届けたいと思ったのですよ。
あらっ。。。 デンマンさんも蜂に刺されたら私にデンマンさんの顔の上をまたがせて、おしっこがどのように出るのか?しみじみと観察するつもりなのですか?
うへへへへへ。。。 いけませんか?
私がそんな事をするわけないじゃありませんかア!
とにかく、この男の子は女の子が小便をする様子にメチャ好奇心を持ったようですよ。
どうしてそのような事をデンマンさんは言うのですか?
だってぇ~、Sちゃんに小便させる必要はないのですよ。 自分で小便して、それを右手で受けて蜂に刺された所に塗ればすむことじゃありませんか!
言われてみれば確かにその通りですわね。 なにもSちゃんにおしっこさせる必要なないのですよね。。。 つまり、この事が言いたかったので上のエピソードをわざわざ引用したのですか?
もちろん、そればかりではありませんよ。
他に何が言いたいのですか?
あのねぇ~、上のエピソードを読んでいたら、かつて四国の祖谷(いや)渓谷の小便小僧のことについて書いたことを思い出したのですよ。
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あらっ。。。 この「小便小僧」を四国で見たのですか?
そうです。 急に懐かしくなったのですよ。
その記事はデンマンさんがいつ頃書いたのですか?
だいぶ前ですよ。 はっきりと思い出せないので「小便小僧 阿波踊り デンマン」と入れてGOOGLEで検索してみたのですよ。 その検索結果を見てください。
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あらっ。。。 2009年の10月26日に投稿したのですわね。 「小百合物語」 ビーバーランド と書いてありますわ。
そうですよ。 小百合物語の一部として書いた記事ですよ。 小百合さんも覚えているでしょう?
4年も前ですもの。。。 はっきりと覚えてませんわ。
じゃあ、小百合さんのために、ここに書き出しますよ。 思い出してください。
ありがとう!きゃはははは。。。
♪┌(・。・)┘♪
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日付: Sat, 24 Oct 2009 12:03:14 +0900
差出人: “green@infoseek.jp”
宛先: “domini@yahoo.co.jp”
CC: “barclay1720@aol.com”
昨日は、思い出を作ってくれてありがとう!
鰻重はうまかった。
あのキモのお吸い物は生まれて初めて飲みましたよう。
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昨日、東行田駅から家に帰る途中で「かどや」に寄って焼きそばを4人前買いました。
ちょうどおばさんが行田病院へ行って留守でした。
お昼ごろ病院に行って帰ってきたのが5時ごろで、
4人前の焼きそばを包んでくれましたが、
作るのには間に合わなかった。
おじさんが作りました。
でも、同じ味でした。
それにしても、病院は大混雑だったとか??
お昼から5時までかかるのだから、日本は病人天国、いや、病人地獄?になったのか?
\(*^_^*)/ キャハハハ。。。
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初めて、あの101歳のおばあさんと話をしました。
あんなに元気な100歳以上のおばあさんを見るのは初めてでしたよう。
元気ですよね!
ビックリしましたよう。
明治41年生まれですからね。
家に帰ってさっそくお袋と焼きそばを食べました。
小百合さんに鰻重をご馳走になったことを話題に出して。。。
ムシの知らせと言うのでしょうか!?
小百合さんから、まもなく電話がありました。
珍しく電話機のそばに居たお袋が出たのだけれど、
小百合さんの名前を覚えていたらしく、「デンマンがご馳走になったそうで、ありがとう」と言うのが聞こえました。
ブログ以外のことでは、小百合さんの事をお袋にほとんど話しているのですよう。
お袋は最近、物忘れが激しくなったけれど、小百合さんのことはよく覚えているようです。
今日のブログの記事は「おばんざい」
2008年8月4日に書いたものを再掲載したものです。
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バンクーバーから成田に向けて飛び立つ(10月6日)前、9月30日の午後11時40分に上の記事をライブドアのブログに予約投稿しました。
時間があったら読んでみてね。
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(2009年10月23日)
すぐ上の記事は10月22日に書いた小百合さんへのメールを使っていますよ。
この記事も時間があったら、ぜひ読んでみてね。
小百合さんもムカつくことがあるけれど、
めれんげさんのムカつきとは本質的に違うんだよね。
どのように違うの?
上の記事を読むと、それが理解できますよう。
\(@_@)/ キャハハハ。。。
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夕べはNHKの深夜番組で『日本の祭り2009』の「阿波踊り」を観ましたよう。
午前1時10分から3時12分まで。
8月21日の再放送で2時間番組でした。
解説は前半が娯茶平連の連長さん、後半が天水連の連長さん。
ゲストは朝ドラ「ウェルかめ」の出演者で倉科カナさん、羽田美智子さん、星野知子さんの3人。
藍場浜演舞場と両国での輪踊りを中継。
映し出されたのは蜂須賀連、扇連、悠久連、うきよ連、娯茶平連、うずき連、天水連、阿呆連、無双連、ゑびす連、かずら連。
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確か番組の殿(しんがり)に出てきたと思うのだけれど、阿呆連の踊りが一番印象に残りました。
自由で、躍動的で実に良かった。
お祭りっていいよね。
観ていると“日本人の血”が踊り出しますよう。
やっぱり、僕は日本人だと、しみじみと感じました。
400年の伝統・鍛え抜かれた技と美。
臨場感たっぷりの2時間。
う~♪~ん・・・
まさに、その通りでした。
小学生から初老の男女まで、みな熱くなって一生懸命に踊っていたのが伝わってきましたよう。
日本人の元気の源(みなもと)を感じて、僕も元気をもらいました。
「かずら連」の解説で踊る人の浴衣のすそに描かれていた“かずら橋”を見て急に思い出が鮮明に蘇(よみがえ)りました。
あああア~、なつかしい!
30年前に訪れた祖谷川(いやがわ)に沿ったカーブの多い一車線の道は忘れられない。
まかり間違えば、祖谷渓谷に落ちて死にそうなスリルを感じてゾクゾクとしたものでした。
世界に飛び出す前に、まだ行ったことのない四国に行ってみたい。
そう思って選んだ場所が“かずら橋”でした。
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秋には紅葉の景色が見事だと聞いていたけれど、行ったのは確か夏休みだったと思う。
紅葉には記憶がない!
弘法大師が祖谷に来たとき困っている村民のために架けたと言う伝説。
平家の落人(おちうど)がこの地に潜み、追手が迫ってもすぐ切り落とせるように葛(かずら)を使って作ったと言う伝説もある。
歴史馬鹿の僕は、そういう伝説に惹かれて行ってみたのでした。
とにかく、クネクネと曲がりくねった一車線から深い渓谷を観ながら、運転を間違えば、谷底へ落ちて死んでしまうような恐怖を味わいながら橋まで行ったスリルが未だに忘れられませんよう。
しかも、山野に自生するシラクチカズラで編まれた吊り橋は、全長45m、水面からの高さ14m。
歩くたびにユラユラと揺れてスリル満点。
渡し木と渡し木のすき間から見える渓谷の美しさもスリル満点。
ゾクゾクしました。
400年も続く伝統の阿波踊りが、洗練され、躍動的な現代の踊りになって観る僕の“日本人の血”を沸かせた!
そして、僕は祖谷渓谷に落ちて死ぬかもしれない、あのゾクゾクとするスリルを改めて思い出したものでした。
残念ながら、阿波踊りをまだ現地で観たことがない。
でも、テレビ画面の中に日本人の原点を見たようで、本当に元気をもらいました。
400年の伝統・鍛え抜かれた技と美。
そうだよね。
日本と日本人は、やっぱり素晴らしいと思いましたよう。
でも、現在の日本は歪(ゆが)められている。
病(や)んでいる。
テレビを見ていても悲惨なニュースは後を絶ってないよね!
自殺者は1年に3万人以上!
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10月19日には、18歳の少女がヨットスクールの屋上から飛び降り自殺した。
派遣切りに合い、仕事がなくなって、生活保護も受けられず
30代の男が一人さびしく餓死をした。
この男のことを10月8日にNHKの「クローズアップ現代」が取り上げていましたよう。
「“助けて”と言えない~いま30代に何が」
見ていて本当に悲惨な事件だと思いましたね。
働き盛りの30代が餓死している現状。
民主党政権は“コンクリートから人へ”と言っているけれど、
言っているだけ!
日本の未来を本当に素晴らしい国にしようとするビジョンを持った政治家が居ない!
ビジョンを持たないグータラな世襲の政治屋のために貴重な小百合さんの人生、家族の生活を無駄にすることはないのですよう。
世界に羽ばたく。
そういう選択もあるのです。
そして海外から日本を良くする選択だってある!
今日は残念ながらどんよりと雲っている。
しかし、日本の政治が駄目でも、日本は僕のふるさとですからね。
ふるさとは、やっぱり素晴らしい。
この素晴らしさだけは、政治が駄目でも存続してほしい。
“国敗れて山河あり!”
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祖谷(いや)渓谷の小便小僧
戦後の復興を立ち上げた政治家が今は居ない!
ビジョンを持たず日本を悪くする政治屋だけが馬鹿なことをやっている。
しみじみと、そう感じるこの頃です。
でも、今日もウィンナコーヒーを飲みながら
のんびりと楽しんで書いていますよう。
小百合さんと再会して幸せを噛み締めています。
ヽ(´ー`)ノ きゃはははは。。。
ありがとう。
じゃあね。
(V__/)
(+’.’+)
(“)_(“)
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『うな重と阿波踊り』より
(2009年10月26日)
2009年の10月26日に、デンマンさんはこんなことを書いていたのですわね。
そうですよ。 小百合さんも懐かしいでしょう?
その後、デンマンさんのお母さんはお元気ですか?
あのねぇ~、去年の秋、重態に陥って死ぬ間際までいったのですよ。 僕はマジで葬式の準備までしてしまったほどです。
あらっ。。。 マジでそれ程悪かったのですか?
そうです。。。 ところが奇跡が起きたのですよ。 それで死の淵(ふち)から生還したのです。 小百合さんもぜひ次の記事を読んでみてくださいね。
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ですってぇ~。。。
デンマンさんのお母さんが死の淵から生還したのですってぇ。。。
信じられないような奇跡は起こるものなのですわねぇ~。。。
ところで、あなたは四国の祖谷(いや)渓谷へ行ってみたことがござ~♪~ますか?
吉野川支流の祖谷川にあり、全長は10kmにも及ぶ長い渓谷ですわ。
高さ数10~100mの高低差もさることながら、降水量も多いために樹木が生い茂り、隔絶された深山幽谷の景観を見ることができます。
また一帯は平家の隠れ里(地理学的には隠田集落と呼ぶ)として名高く、日本三大秘境を謳う地であり、山麓にへばりつくように住宅が点在しています。
四国三郎ともいわれた吉野川は暴れ川で知られ、支流のこの川も例外ではありません。
加えて河谷の急峻さもあって、川を跨ぐのは至難の業でした。
そのために集落を跨ぐ橋が設けられたのです。
それが西祖谷山にある「かずら橋」ですわ。
また東祖谷山には奥祖谷二重かずら橋もあります。
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祖谷そばが有名です。
祖谷温泉が湧出してからは四国の観光地としても注目を浴びています。
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とにかく、明日もデンマンさんが興味深い記事を書くと思いますわ。
だから、あなたも、お暇なら、また読みに戻ってきてくださいまし。
じゃあねぇ。
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ィ~ハァ~♪~!
メチャ面白い、
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下着・ランジェリーを見つけませんか?』
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別荘を持つことを夢見る小百合さんの物語』
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■ 『桜と名女優』
■ 『小さな親切』
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■ 『味もめん』
■ 『かぎろいの謎』
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■ 『ヘチマ野郎』
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こんにちは。ジューンです。
ところで「かぎろい」という言葉を聞いたことがありますか?
『万葉集』巻(まき)1の48番に柿本人麿(かきのもとひとまろ)の有名な「かぎろい」の歌があります。
東(ひむがし)の
野に炎(かぎろひ)の
立つ見えて
かへり見すれば
月傾(かたぶ)きぬ
あまりにも有名な歌ですよね。
あなたも聞いたことがあるでしょう?
次のような意味です。

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東方の野には曙(あけぼの)の光がさしそめるのが見えて西を振りかえると月が傾いて淡い光をたたえている。
(『万葉集』日本古典文学大系、岩波書店)
「かぎろい」は『古語辞典』(岩波書店)では、まず「揺れて光る意。 ヒは火。 炎」とあり、また「立ちのぼる水蒸気に光があたり、光がゆらめいて見えるもの」とし、「陽炎(かげろう)、地面が熱せられたときに見られる」の意をあげています。
さて日の出前には日中、私たちがよく見る陽炎のようなものは出現しないので、「陽炎説」は成立しません。
「かぎろい」は万葉集では「炎」という字があてられていることに注目してください。
「かぎろい」には、これまで天文学的に意味のある説が二つあります。
その一つは、戦前、中山正実画伯が「かぎろい」にちなむ大作「阿騎野(あきの)の朝」を描くにあたってなされた考証にもとづくものです(中山説)。
それによれば柿本人麿の「かぎろひ体験」は、場所(東経135°.9、北緯34°.4)だけでなく、日時をも特定できるという驚くべき説で、持統天皇の朱鳥(しゅちょう)6年11月17日(ユリウス暦ではA.D.692年12月31日)、午前5時50分(日本標準時、日の出前約1時間)、月は望(満月)をわずかに過ぎて西の地平線の上10°の高さにあったというのです。
中山説は、このときの東の空の現象が「かぎろい」だとするものです。
驚きですよね。
どうして、1300年以上も前の時刻まで突き止めることだできるのでしょうか?
実は、誰でも簡単に突き止めることができるソフトがあるのです。
「天文シュミレーション・ソフト」とか「プラネタリウム・ソフト」と呼ばれているプログラムです。
関心があったら、次の記事を読んでみてください。
■ 『かぎろいの謎』
ところで、これまで書いた小百合さんの記事を集めて
デンマンさんが一つにまとめました。
もし、小百合さんの記事をまとめて読みたいのならば、
次のリンクをクリックしてくださいね。
(sayuri5.gif)
とにかく、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしてくださいね。
じゃあね。
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